退職慰労金として給付された不動産についての所有権の移転の登記の申請をする場合における登記原因について(登記研究790号 平成25年12月号)

標記の件につき、今月号の登記研究・質疑応答に掲載されました。

【7957】退職慰労金として給付された不動産についての所有権の移転の登記の申請をする場合における登記原因について(登記研究790号 平成25年12月号)

〔要旨〕退任する取締役に対し,退職慰労金として, 会社所有の不動産を与える旨の株主総会の決議がされた場合において,当該不動産の所有権の移転の登記の申請をするときの登記原因及びその日付は「年月日退職慰労金の給付」とするのが相当である。

[問]
A株式会社の株主総会において,退任する取締役Bに対し,退職慰労金として, A株式会社が所有する甲不動産を与える旨の会社法(平成17年法律第86号)第361条第1項の規定による決議がされ, Bがこれを席上で受諾した場合において, 当該給付に基づく甲不動産の所有権の移転の登記の申請をするときの登記原因及びその日付は「年月日退職慰労金の給付」とするのが相当であると考えますが、いかがでしょうか。

[答]
御意見のとおりと考えます。

これで一応の結論が出されたというところでしょうか。

この件では既に不動産登記実務メモに次のとおりとしてアップしていました。

『退職した取締役に対して退職慰労金を支給するに際して,会社所有の不動産の所有権を移転する場合における不動産登記の登記原因について(2012.07.02)』

釧路地方法務局の回答『年月日会社法第361条第1項の報酬等の給付』がイチバンと考えていたのですが、「年月日退職慰労金の給付」となり、ちょっぴり残念な印象です。

今後、『年月日会社法第361条第1項の報酬等の給付』を原因に登記申請したら、補正を命じられるかな?

【参考】
司法書士内藤卓のLEAGALBLOG
http://blog.goo.ne.jp/tks-naito/e/f3c949f52fc611989ac22e54b1a3005e