契約前の説明が不十分だったために受けた損害について

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81268&hanreiKbn=02

最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)
契約の一方当事者は契約締結に先立ち、
信義則上の説明義務に違反して契約締結の可否に関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合であっても、
相手方が契約締結により被った損害につき債務不履行責任を負わないとする判決(22日)

契約の一方当事者が,
当該契約の締結に先立ち,

信義則上の説明義務に違反して,
当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には,

上記一方当事者は,
相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき,

不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別,
当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。

判決全文はこちら

asahi.comニュース 社会裁判記事
http://www.asahi.com/national/update/0422/TKY201104220643.html

契約前の説明不足で損害、時効は3年 最高裁が初判断
2011年4月23日0時7分

契約前の説明が不十分だったために受けた損害について、
賠償を求めることができる期間(時効)は3年か10年か。

この点が争われた2件の訴訟の判決で、
最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は22日、
3年とする初判断を示した。

高裁段階で分かれていた判断を統一した。
契約後のトラブル処理に影響が出そうだ。

判決があったのは、
2000年に破綻(はたん)した在日韓国人系の信用組合「関西興銀」(大阪市)に対する損害賠償訴訟。

出資者が
「出資契約前の説明で、実質的な債務超過状態を知らされなかった」
と訴えていた。

民法では、
不法行為なら3年しか請求を認めないが、
債務不履行なら10年まで認めている。

二審・大阪高裁は
「不法行為が時効でも、契約に伴う説明義務を果たさなかった債務不履行が認められる」
と判断したが、

最高裁は
「説明が十分されていればそもそも契約しなかったのだから、契約に伴って説明義務が発生するという考え方は矛盾している」
と述べた。