遺言書を偽造

身寄りのない女性の遺言書を偽造して,その所有不動産を取得,転売していたようです。

不動産は,
被害者女性→遺贈→岡宗容疑者→贈与→宗教法人(札幌市)→売買→清掃業者(台東区) 
と譲渡され,最終的に約4000万円で転売されたようです。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110202ddm041040013000c.html

毎日新聞 2011年2月2日 東京朝刊

85歳で死亡した身寄りのない女性の遺言書を偽造したとして、警視庁組織犯罪対策4課は1日、指定暴力団山口組系元組員、北村信容疑者(51)=埼玉県八潮市中央4=と無職、岡宗(おかむね)晶子容疑者(75)=東京都国立市富士見台3=ら5人を有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕した。女性の約2億円の預金や東京都台東区内の自宅などの遺産は、偽の遺言書通りに岡宗容疑者に渡っており、自宅の土地(約80平方メートル)は、代表が山口組弘道会系組長と関係する宗教法人に贈与された後、台東区の清掃業者に転売されていた。組対4課は暴力団が利益を得た疑いがあるとみて追及する。

 逮捕容疑は08年6~9月、死亡した女性が岡宗容疑者に全財産を遺贈するという遺言書を北村容疑者らが偽造し、東京家裁に提出したとしている。北村容疑者は「遺言書は本物」と容疑を否認しているが、岡宗容疑者は「北村容疑者が偽造の遺言書を用意した」と認めているという。

 捜査関係者によると、女性は07年2月15日ごろ自宅で病死。身寄りがなかったため、家裁に選任された相続財産管理人が民法の規定に基づき、同年11月に相続人を探していることを官報で公告した。08年6月30日に、岡宗容疑者が「女性から生前に遺言書を渡された」と知人を装って名乗り出て、管理人に認められた。

 登記簿によると、女性の自宅があった土地は09年4月、いったん岡宗容疑者に移転登記されたが、直後に札幌市に本拠を置く神道系の宗教法人に贈与され、同7月には台東区内の清掃業者に転売されていた。この業者は毎日新聞の取材に「旧知の不動産屋を通じて約4000万円で購入した。事件については知らなかった」と話している。

 民間調査会社などによると、宗教法人は1954年に設立。04~08年には弘道会系組長が代表に就任していた。組長は09年11月、東京都足立区の寺院の住職名を無断で変更登記したとして、警視庁に有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕されている。

日経 2011/2/1 19:42
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E2E3E2E0858DE2E3E2E0E0E2E3E39191E3E2E2E2;at=ALL