金貨金融:実質的な融資と認定 札幌簡裁が業者の請求棄却

毎日jp
2011年1月14日 20時13分 更新:1月14日 21時43分 久野華代

http://mainichi.jp/select/today/news/20110115k0000m040063000c.html

後払いで顧客に金貨を渡し、換金させた後に代金を請求する「金貨金融」が適法かどうか争われた訴訟で、札幌簡裁(脇山靖幸裁判官)は14日、契約は金貨の売買ではなく実質的な融資だと認定した。

そのうえで「暴利の融資で公序良俗に反する」として、顧客に代金支払いを求めた業者側の請求を棄却する判決を言い渡した。

顧客側を支援する札幌青年司法書士会によると、契約を無効とした司法判断は全国初という。

訴えていたのは、札幌市内の金貨販売業者で「男性顧客が金貨の代金を払わないのは契約違反だ」と主張していた。

判決によると、自己破産しヤミ金業者を利用していた男性は昨年5月、返済に困って「当日即現金化」などと広告を出していた業者を訪ねた。

10日後に代金を返還する約束で6万5600円の金貨を購入。すぐに換金して、4万2400円の現金を得た。

判決はこの契約について「正常な手段では融資を受けることが困難な人を誘い込み、金貨の換金名目で融資をした」と指摘。換金できた額と、その約1・5倍に当たる代金の差額2万3200円は利息に当たると認定し、金利が利息制限法の上限(年20%)を大きく上回る年約2000%になると結論付けた。

札幌青年司法書士会によると「換金ヤミ金」とも呼ばれる金貨金融は北海道内を中心に全国に広がっており、札幌市内では11社の業者が確認されているという。

同会には09年11月以降で約40件の相談が寄せられており、「判決を全国的な被害の広がりを食い止める足がかりにしたい」と話している。

*****

<北海道新聞1月15日朝刊掲載>
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/268606.html

「金貨金融」契約は無効 札幌簡裁が初判断 実態は高利貸し 換金前提に金貨販売(01/15 07:25)

代金後払いで相場より高く金貨を客に販売し、相場価格で換金させる形で現金を提供する「金貨金融」の契約の有効性が問われた訴訟の判決が14日、札幌簡裁1 件であった。

脇山靖幸裁判官は「実質上は暴利の金銭消費貸借契約で、公序良俗に反する」として契約は無効と判断。

業者が客の男性に求めた支払い請求を棄却した。

男性の代理人司法書士によると「金貨金融」契約を無効とした判決は全国で初めて。

訴訟は札幌市中央区で金貨販売店を経営する業者(帯広)が、札幌市内の男性に販売した金貨2枚の未払い代金支払いを求めて起こした。

判決によると、業者は昨年5月1日、男性に対して9日後に代金6万5600円を受け取る契約で金貨1 件を渡し、換金先を紹介。

男性は同日、相場並みの4万2400円で転売した。

当時、男性は自己破産しており、別のヤミ金融への返済に追われていたという。

*****

貸金業法の改正の影響でしょうか。
確かによく考えたビジネスモデルと言えるのかもしれません。
が、これはもう商売とは言えないというのが裁判所の判断のようですね。