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2010年12月28日

期限付解散決議に基づく解散登記の可否について

期限付解散決議に基づく解散登記の可否ついて今後の動向に関心をもって行く必要がありそうです。

期限付解散の決議に基づく登記の申請 (土手補佐官事務連絡) 平成22年11月25日

法務局民事行政部首席登記官 殿
(法人登記担当)
地方法務局首席登記官 殿
(不動産登記担当を除く。)

法務省民事局商事課土手補佐官   

 解散日を数箇月後の日とするいわゆる期限付解散決議をした株式会社が当該決議に係る株主総会議事録を申請書に添付して解散の登記を申請した場合,当該解散の登記は,することができる旨の見解が掲載された書籍・雑誌(商業・法人登記300問(テイハン)310頁,月刊登記情報570号59頁)を根拠として,当該解散の登記が可能ではないかとの相談が幾つかの法務局にされています。

 会社法(平成18年法律第86号)においては,「定款で定めた存続期間の満了」によって株式会社が解散するものとされ(同法第471条第1号),「株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは,その定め」が登記事項とされている(同法第911条第3項第4号)ことに鑑みますと,このように解散日を将来の日としようとする場合には,存続期間の定めとして定款に定め,その登記がされることが会社法の趣旨に沿うものと考えられます(江頭憲治郎「株式会社法」(有斐閣,902頁,第3版)参照)。一般に,期限付決議については,「株主総会の決議の効力の発生を条件または期限にかからしめることは、法律の規定、趣旨または条理に反しない限り、原則として許されると解すべきもの」(最判昭37・3・8民集16巻3号473頁)とされており,株主総会が自由に期限付解散決議をすることができるとすると,定款で存続期間を定めたことと何ら変わりはないにもかかわらず,その旨を登記しなくてもよいこととなり,存続期間を登記事項とし,これを公示することにより,取引の安全を図ろうとした会社法の趣旨に反するものと考えられるからです。

 よって,解散日を数箇月後の日とする期限付解散決議をした株式会社が当該決議に係る株主総会議事録を申請書に添付してした解散の登記の申請は,受理することができないと考えられます(なお,当該決議をもって,当該株式会社の存続期間の定めを設ける定款変更の決議がされたものと考えることは,可能と考えられますので,当該株主総会議事録を申請書に添付してされた存続期間の定めに関する変更の登記の申請は,受理することができると考えられます(「商業・法人登記実務の諸問題(2)2(13)」(民事月報平成21年9月号)参照)。)。

 ただし,会社法上,変更の登記及び解散の登記にいずれも2週間の猶予期間が設けられていること(同法第915条第1項,第926条)に鑑みれば,当該株主総会決議日から解散日が2週間以内とされているものであれば,取引の安全を図るという会社法の趣旨にも必ずしも反しないと考えられますので,期限付解散決議に係る解散の登記を受理して差し支えないと考えられます(昭和34年10月29日民事甲第2371号民事局長電報回答参照)。

 また,主務官庁の許認可等を要する業種の法人についてその手続に要する合理的期間だけ先立って解散決議をするという場合も,同様に当該登記根拠法令の趣旨に反しないと考えられることから,期限付解散決議に係る解散の登記を受理して差し支えないと考えられます。

 登記相談や登記事件の審査時においては,各局において,法令上の根拠や先例の趣旨をよく理解し,適正な事務処理が行われるよう,今後とも留意願います。


この補佐官事務連絡について次のとおりです。

商業登記倶楽部 http://www5a.biglobe.ne.jp/~legal/public/STClub2.htm

商業登記漫歩 平成22年12月20日号(39号) by 神﨑満治郎先生

http://www5a.biglobe.ne.jp/~legal/public/mp2/mp2039.htm

法務省HP商業・法人登記申請 
1-21 株式会社解散及び清算人選任登記申請書(清算人が1人の場合) 記載例pdf
http://www.moj.go.jp/content/000058720.pdf

(注)解散日を将来の日としようとする場合には,当該解散日を満了日とする存続期間の定めを設ける定款変更を決議し,その登記をする必要がありますので注意してください(その上で,当該存続期間の満了により解散したときは,2週間以内に解散の登記をすることになります。)。
とのコメントがついている。

内藤卓先生(京都会)がご自身のブログ
司法書士内藤卓のLEAGALBLOGで法務省の見解に異論を唱えています。

http://blog.goo.ne.jp/tks-naito/e/ac04b3b27ccb38c5a84350a55598b038

内藤先生といえば、今年の10月30日(土)、釧路会の業務研修会(帯広市)にお招きして、講師をして頂きました。

神﨑満治郎先生の商業登記漫歩(平成22年12月20日号)にもあるように、会社法の解釈に関する極めて重大な見解の表明ですので、この正月休みに期限付解散の決議について考えてみようと思います。




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