勤務先を退職した従業員が,当該勤務先と同種の事業を営み,その取引先から継続的に仕事を受注した行為が,不法行為法上違法とはいえないとされた事例(平成22年03月25日 最高裁判所第一小法廷)

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=80022&hanreiKbn=01

産業用ロボットや金属工作機械部分品の製造等を業とする従業員10名程度の株式会社の営業担当と現場担当の二人が,会社と同種の事業を営むことを計画し,資金の準備等を整えた後,会社を退職し,会社の取引先から仕事を受注した案件です。

元従業員等の競業行為が,社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法な態様で元雇用者の顧客を奪取したとみられるような場合には,その行為は元雇用者に対する不法行為に当たるというべきである,としたうえで,社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法な態様だったのか否かが争われたようですね。

退職後の競業避止義務に関する特約等は定められていなかったようです。