Top / 事務所ブログ / 2009-11-18

相続人が不分明の不動産について、相続財産管理人を選任することなく、当該不動産の被相続人の債権者が、競売申立受理証明を代位原因を証する情報として、当該不動産の登記名義人の表示を相続財産法人に変更する代位の登記の申請の可否について

回答要旨
相続人が不分明の不動産について、相続財産管理人を選任することなく、その不動産の登記名義人の債権者が、登記名義人の氏名等を相続財産法人に変更する代位の登記を申請することができる。
登記研究718号(平成19年12月)質疑応答7860

解説
登記研究719号(平成20年1月)カウンター相談188に掲載されています。

民法§951,952
登記先例 昭和10年1月14日民事甲第39号民事局長通牒
東京地裁平成7年4月26日判決(判例タイムズ920号230ページ)

相続財産管理人は、あくまで相続財産法人の代表者(法定代理人)であって、相続財産の管理・帰属主体となるものではありません。

債権者が相続財産に属する権利を代位行使する場合には、権利行使時に相続財産法人が存在していれば足り、相続財産管理人の選任までは要しないと考えられます。

相続人不存在の場合は、相続財産管理人が選任されていなくても、当然に相続財産法人は成立するのですから、相続財産に属する権利の代位行使をする場合には、相続財産法人を代位することは明らかといえますね。

したがって、本件の場合、相続財産管理人の選任手続きを経ることなく、その不動産の登記名義人である被相続人の債権者が、競売申立受理証明を代位原因を証する情報として、登記名義人の氏名等を相続財産法人に変更する代位の登記を申請することができる、という結論です。

この結論のほうが、迅速に競売を申し立てることができそうですね。



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